導入:
Google Chromeは日々アップデートを重ね、ブラウジング体験を少しずつ、しかし確実に改善してきました。近年は「タブグループ」や「メモリセーバー」など、タブ管理を中心とした機能強化が目立ちます。さらに最近注目されているのが、タブを横並びではなく“縦”に並べる「Vertical Tabs(垂直タブ)」という考え方です。
本記事では、「Chromeのタブを垂直に表示できるのか?」「どんなメリットがあるのか?」「分割表示(スプリット表示)とどう使い分けるのか?」といった疑問に丁寧に答えながら、Chromeのタブ管理をより快適にするためのポイントを解説します。
Chromeのタブ管理はどう進化してきた?
Chromeは軽快さが魅力のブラウザですが、仕事や調べ物でタブを大量に開く使い方が一般化したことで、「タブが増えすぎて管理できない」という課題も同時に広がりました。そこでChromeは、タブ周りの機能を段階的に強化しています。
タブグループで“整理”がしやすくなった
Chromeの「タブグループ」は、関連するタブをまとめて色分けし、名前を付けて管理できる機能です。例えば「案件A」「調査」「プライベート」など、用途別にタブを分類できるため、タブ数が多くても見失いにくくなります。
SEOの観点でも、調査用のタブ(検索結果、競合記事、サーチコンソール、キーワードツールなど)をグループ化しておくと、作業効率が上がりやすいでしょう。
メモリセーバーなど“軽量化”の工夫も進んでいる
タブを大量に開くとPCのメモリを圧迫しがちです。Chromeは「メモリセーバー」などの機能を通じて、使っていないタブのリソースを抑え、動作を軽くする方向へ進化しています。
つまりChromeは「タブを増やす使い方」を前提に、整理とパフォーマンスの両面を改善していると言えます。
分割表示の次は“垂直タブ”が注目される理由
近年は、ブラウザ上で2つのページを並べて見る「分割表示(スプリット表示)」も注目されました。比較や参照がしやすく、作業効率が上がるためです。
一方で、分割表示は「画面の横幅を消費する」ため、タブが増えるほど管理が難しくなる場面もあります。そこで登場するのが「Vertical Tabs(垂直タブ)」という発想です。
横タブの弱点:タブが増えると“見えなくなる”
Chromeの標準UIは、タブが横方向に並びます。タブ数が少ないうちは快適ですが、増えるほどタブ幅が狭くなり、タイトルが読めなくなります。
結果として「どのタブが何のページか分からない」「目的のタブを探すのに時間がかかる」といった問題が起きます。
縦タブの強み:タイトルが見える、一覧性が高い
垂直タブは、タブを画面左(または右)に縦方向で一覧表示する方式です。縦方向はスクロールで領域を確保しやすく、タブのタイトルを長めに表示できるのが大きな利点です。
特に以下のような人に向いています。
- タブを常に20個以上開きがち
- 記事制作やリサーチで、複数の情報源を行き来する
- タブタイトルを見ながら素早く切り替えたい
- ワイドモニター(横幅が広い環境)を使っている
Chromeで「Vertical Tabs(垂直タブ)」は使える?
ここで重要なのは、「Chrome標準機能としての垂直タブは、環境や時期によって提供状況が異なる可能性がある」という点です。Chromeは段階的に機能を展開することがあり、特定のバージョン・設定・試験機能(フラグ)で利用できるケースもあります。
そのため本記事では、一般的に現実的な選択肢として、次の2つのアプローチを紹介します。
- Chromeの拡張機能で垂直タブを実現する
- Chrome以外のChromium系ブラウザ(例:Edge、Vivaldi等)の垂直タブを参考にする
拡張機能で垂直タブを実現する方法
Chromeウェブストアには、タブを縦に一覧表示する拡張機能が複数あります。代表的なタイプは以下です。
- サイドバーにタブ一覧を表示するタイプ
- ツリー構造(階層)でタブを管理できるタイプ
- タブ検索・フィルタ機能が充実しているタイプ
選ぶ際は、次の観点で比較すると失敗しにくいでしょう。
- 日本語環境で使いやすいか(UI翻訳、文字化け等)
- タブ数が多いときも軽快に動くか
- 同期やバックアップに対応しているか
- 権限(アクセス許可)が過剰でないか
拡張機能利用時の注意点(セキュリティ・安定性)
垂直タブ系の拡張機能は便利ですが、ブラウザのタブ情報にアクセスする性質上、一定の権限が必要になります。導入前に以下を確認してください。
- 提供元(開発者情報、レビュー、更新頻度)
- 要求される権限の内容
- 企業PCや共有端末での利用可否(ポリシー制限)
SEO担当者や編集者など、業務で使う場合は、特に「更新が止まっていないか」「不自然なレビューが多くないか」をチェックすると安心です。
垂直タブで得られるメリット:作業効率と見失い防止
Vertical Tabsの価値は「見た目が変わる」だけではありません。タブ運用そのものが変わり、日々の作業効率に影響します。
メリット1:タブタイトルが読めて、切り替えが速い
横タブでは「アイコンしか見えない」状態になりがちです。縦タブならタイトルが視認しやすく、目的のタブへ最短で移動できます。
特に、同じドメインのページを多数開く作業(例:管理画面、EC商品ページ、複数記事の下書き)で効果が出やすいでしょう。
メリット2:タブの“整理”が習慣化しやすい
縦に並ぶと、タブの増えすぎが視覚的に分かりやすくなります。結果として「不要なタブを閉じる」「グループ化する」といった整理行動が起こりやすくなります。
タブが散らかりにくい環境は、集中力の維持にもつながります。
メリット3:ワイドモニターとの相性が良い
近年は横長のディスプレイが一般的です。縦タブは“横幅を少し使う代わりに、タブの一覧性を得る”設計のため、ワイドモニター環境で特に快適です。
一方、画面が小さいノートPCでは、縦タブ領域が邪魔になることもあるため、表示幅を調整できる拡張機能を選ぶと良いでしょう。
分割表示(スプリット表示)と垂直タブの違い・使い分け
「分割表示」と「垂直タブ」は、どちらもマルチタスクを助ける機能ですが、目的が異なります。
分割表示が向いているケース
- 2つのページを見比べたい(原稿と参考記事、翻訳元と翻訳先など)
- 片方を見ながら入力したい(フォーム入力、管理画面操作)
- 表や数値を比較したい(価格比較、データ参照)
分割表示は“同時に見る”ことに強い機能です。
垂直タブが向いているケース
- タブを大量に開き、頻繁に行き来する
- 参照元が多く、切り替え回数が多い
- タブの整理・把握を重視したい
垂直タブは“切り替えと管理”に強い機能です。
併用すると強い:リサーチ作業の例
例えばSEO記事制作では、次のような運用が考えられます。
- 垂直タブで「競合記事」「公式情報」「画像素材」「下書き」など多数のタブを管理
- 重要な2ページだけ分割表示で並べ、比較しながら執筆
このように、分割表示と垂直タブは競合するというより、役割が違うため相性が良い組み合わせです。
Vertical Tabsを快適に使うための設定・運用のコツ
垂直タブを導入しても、運用が雑だと結局タブが増え続けて混乱します。そこで、タブ管理の基本ルールを決めておくと効果が上がります。
コツ1:タブグループと併用する
垂直タブは一覧性が高い一方で、増えすぎるとスクロール量が増えます。タブグループを併用し、案件やテーマごとにまとめると管理が楽になります。
コツ2:タブ検索を活用する
Chromeにはタブ検索機能があり、タイトルから目的のタブを探せます。
垂直タブ+タブ検索の組み合わせは、タブ数が多い人ほど効果が出ます。
コツ3:定期的に“閉じる基準”を決める
例えば以下のような基準を作ると、タブが無制限に増えるのを防げます。
- 今日使わなかったタブは閉じる
- ブックマークに入れたら閉じる
- 「後で読む」は専用リストに移して閉じる
垂直タブは便利ですが、“タブを開きっぱなしにしやすくなる”側面もあるため、ルール化が有効です。
よくある疑問:垂直タブはChromeの標準機能になる?
垂直タブは、他ブラウザではすでに定番化しつつある機能です。Chromeでも今後、より直接的な形で提供される可能性はありますが、機能の追加は段階的であり、確定的なことは言えません。
ただし、タブ管理の重要性が増している流れ自体は明確です。Chromeが「タブを増やして使う」現代のブラウジングに最適化され続ける限り、垂直タブ的な体験がより身近になることは十分考えられます。
まとめ:Vertical TabsでChromeのタブ管理は次の段階へ
Chromeはタブグループや軽量化機能などを通じて、タブを多用する現代的な使い方に対応してきました。そして次に注目されるのが、タブを縦に並べて一覧性を高める「Vertical Tabs(垂直タブ)」です。
垂直タブは、タブタイトルが見やすく、切り替えが速く、タブの整理もしやすいというメリットがあります。分割表示(スプリット表示)が“同時に見る”ための機能だとすれば、垂直タブは“大量のタブを管理しながら素早く行き来する”ための機能です。
まずは拡張機能など現実的な方法から試しつつ、ご自身の作業スタイル(リサーチ中心か、比較中心か、ノートPCかワイドモニターか)に合わせて最適なタブ運用を整えてみてはいかがでしょうか。
